S・Sさん 早稲田大学大学院 法務研究科 

<分析>

社会人として企業でリーダーシップを発揮されてきた方で、今後は法曹としての人生を歩みたいという強い志のもと、法科大学院への進学を希望されていました。
初期の指導段階で明らかになった課題は、論理の構築を意識せずに話を進めてしまう傾向があることでした。

これは、社会人として実務経験を積んできた方によく見られる傾向でもあります。ビジネスの現場では、論理的な説明よりも即断即決や効率の良さが求められる場面が多いため、このような話し方・考え方が自然と身についているのです。

しかし、法曹の世界では、法律の条文や判例をもとに筋道立てて論理を展開し、正当性を示していくことが求められます。
そのため、ビジネスの現場で有効だった効率性や即応力が、かえって論述試験では足かせとなってしまう場面もありました。

<施策>

本人は、自分の意見を文章にしようとすると、論理が飛躍したり、主観的な表現に偏ったりする傾向がありました。そのため、自分の考えや表現を客観的に見つめる力を養う必要がありました。

そこで、指導では問題演習を通じて読解力の強化に重点を置きました。文章の内容を正確に読み取れているかを一つひとつ確認しながら進め、理解がずれている場合には、その違いを丁寧に説明。どこがどう違うのかを明確にし、本人自身が誤解に気づけるように促しました。

<効果>

このような訓練を積み重ねていく中で、本人は段階的に、自身の意見や課題文を客観的に捉える力を身につけていきました。法科大学院の課題文は、文量が多く難解であることが一般的であり、読解中に内容を見失ってしまう受験生も少なくありません。そうした中でも、文章全体を整理しながら読み進める力が養われていきました。

その結果、読み取りの正確性が向上し、それに伴って主観的な表現や論理の飛躍も徐々に減少していきました。最終的には、複数の法科大学院から合格をいただくことができました。