M・Iさん 慶應義塾大学 文学部 ※詳細準備中

<分析>

入会前には、年内入試においては、学力それ自体よりも、何らかの特別な活動歴や目立った実績が評価の中心になる、という情報を信じていたようでした。しかし実際のところ、大学側が最も重視するのは、入学後の講義や演習に対応できるだけの学力が備わっているかどうかです。たとえば文学部を志望されている場合であれば、文学部の講義内容を理解し、専門的な議論に参加できる素地があるかが評価の軸となります。

この点について、面談時に具体的説明をしたところ、驚いた様子を見せていました。一方、それまで抱いていた認識を改めようとする姿勢も感じられ、むしろ「正しい方向へ理解を修正しよう」という意欲が芽生えたように見受けられました。

<施策>

まずは、文学という学問がそもそもどのようなものであるのかを理解するために、当学院主任講師がレファレンスを行い、適切な文献の紹介と読み方の指導を行いました。特に文学に関する書籍は非常に多く、どの文献に触れるべきか、またどのような姿勢で読み進めるべきかは、本人の学力や関心の方向性を踏まえ、慎重に選定する必要があります。

こうした基礎段階の学びは、一見すると地味で成果が見えにくいこともありますが、学問的な理解に直結する重要なプロセスです。この基盤を丁寧に築いていくなかで、授業内では、本人から学問そのものに関わる内容や、文学的な理解に関する質問が増えていきました。また、社会の出来事や学校生活で起こり得る出来事をどのように解釈し整理していくべきか、といった点についても、自分なりに考察した意見を積極的に述べるようになり、表現にも自信が見えるようになっていきました。

<効果>

他の生徒にも同じ質問をすることですが、入試直前の最後の授業で「合格したい?」と問いかけたところ、本人は「別にどちらでも構いません」と答えていました。これは決して書き間違いではなく、当学院としてはむしろ望ましい反応なのです。

というのも、当学院では通塾に一定の負担が伴うにもかかわらず、入会審査を経て、そして甘えを許さない指導方針の下で学び続けている生徒ばかりですから、そもそも勉強への姿勢が曖昧なまま受講し続けることは不可能です。したがって本人がこれまで真摯に学び続けてきたことは、疑う余地がありません。

しかし、それでもなお「合格したいから勉強する」という姿勢のまま入試直前まで進んでしまうと、学びへの動機が「大学に入るため」だけになってしまい、「大学で何を学びたいのか」「どのように成長したいのか」という視点が育ちません。それでは、大学で要求される主体的・知的な学びにはつながりにくいという課題があります。

その点、この生徒は続けて「今ここで学び、今までになかった成長を実感しています。それがとても楽しいです。だから私は、どの大学に進学しても成長できると思います」と述べていました。本人がこのように学びそのものを享受し、現在進行形の成長を肯定できていることこそが、まさに当学院が重視する姿勢です。このような学びへの態度があるからこそ、最終的に合格につながっていくのだと感じています。