Yさん 早稲田大学大学院 経営管理研究科

<分析>

社会人の方で、これまでいくつかの会社運営に携わってこられたため、「経営」という分野自体はご自身で学ばれていました。勉強熱心で、専門書をいくつも読み、ビジネススクールにも通われていたようです。大学院で経営学を研究するため、小論文や研究計画書に関する指導をお願いしたいとのことでした。面談当初は満席であったのですが、当学院の卒業生の配偶者であったため、お引き受けすることとなりました。

ご本人が書かれた計画書や小論文には、その豊富な知識からさまざまなアイデアが盛り込まれていました。しかし、これは諸刃の剣でもあり、知識の豊富さをうまくコントロールする必要があります。

<施策>

研究計画については、ご本人は「イノベーションを起こす企業」についての研究をお考えでしたが、そもそもご本人が考えるイノベーションとは何であるか、それが先方の大学院教授会に受け入れられるものであるか、という点について検証していきました。大学院の説明会に参加する際も、自身の考える研究改革が実現可能なものであるか、という観点で確認するように指導しました。

小論文については、限られた字数の中にさまざまなアイデアを詰め込む傾向があり、字数制限の関係上、それぞれの提案の根拠が弱く、結果として論理性や合理性を欠いた文書になってしまうことがありました。したがって、数学的に一つの解(意見)を立て、それを証明していく形で論じるように指導しました。

<効果>

研究計画については、具体的かつ現実的な大学院における研究方法を書くことができ、小論文においては、あれこれ言わず、一つの意見を丁寧に論ずることができるようになりました。豊富な知識を出しすぎず、むしろ説明・証明していくことを中心とした論述ができるようになり、結果として早稲田大学大学院より合格をいただくことができました。
※配偶者の方は大学院に受かったのに、この方は落ちた、となると大変申し訳ないことですから、合格をいただけて当学院としてもホッとしました。