Xさん 慶應義塾大学 環境情報学部
<分析>
大学で研究したいことや将来像について面談でヒアリングしたところ、具体的な内容は大雑把なものしか出てきませんでした。同大学を志望し、将来像や学びたいことが明確でない場合、入会をお断りすることもありますが、今回は一般選抜で受験を考えていること、また入会後に厳しい指導にも耐えるという決意が見受けられたため、依頼を引き受けることとしました。
<施策>
指導開始後、本人の勉学に対する「甘さ」が浮き彫りになってきました。入会時点では過去問に対応できると思っていたようですが、実際には書いている内容が的外れであることに次第に気づき始めました。大学合格には、小手先のテクニックや中途半端な知識では通用しないこと、そして日頃から文献や論文を読み込む必要があることを指導し続けました。
<効果>
入試を目前に控えたある日の授業で、本人が提出してきた小論文は、それまでとは見違えるほど良いものになっていました。どうしてこれを書けたのかを尋ねると、「以前、先生が解説していた〇〇の話が面白かったので、〇〇についての論文を読み始めました。その後もいろいろな論文を読み比べています。」とのことでした。誰かに言われたからではなく、自発的に読んでいたことが、小論文に反映されるうえで効果的だったと思われます。このように継続的に小論文を執筆し続けたことで、その後の指導による学習効果が一気に高まり、最終的に合格をつかむことができました。