Bさん 慶應義塾大学法科大学院

<分析>

今回の依頼において課題となったのは、ただ小論文の準備をしていくだけではなく、本人が法曹を目指し始めたのが比較的最近であったという点です。本人の志望先は出願書類において特に過去の経験などが現在の法曹像にどのように影響しているのか、あるいは法曹像が以前と比べどのように変化していったのか、といった過去・現在・未来の時間軸の整合性が問われます。いくら知識面などがあっても、思いつきで急に法曹を目指すことのないように、という意図が感じられました。

<施策>

そこで、担当講師はカウンセリングの手法を用いて、法曹を志望するに至った本人の過去、考え方のクセなどを分析していきました。これまでどういったものに関心を抱いてきたのか。法曹となるにあたり、どういう使命感や人生観をもっているのかを把握したうえで、「誘導」してしまうと不正になってしまうことから、今度は自己分析をしながら自分の言葉で表現ができるよう、毎回の授業冒頭で法曹像や将来取り組みたい課題などについて共有しました。

<効果>

講師との対話を通して本人の中での法曹像や取り組むべき課題(分野)が明確になってきたこともあり、提出書類ばかりか小論文課題においても明確な意見や課題意識を述べることができるようになっていきました。この頃から併願する法科大学院への書類作成もスムーズになり、中央大学法科大学院など計4校より合格をいただくに至りました。