Aさん 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科

<分析>

小論文の文章表現に不安があるとのことで入会されましたが、文章表現そのものよりも、「主観的表現」が目立ちました。それでは自分が良しと思うことであっても、それがなぜ良いのかが理解されません。ましてや大学院入試の場合、「論文が書けるか」という視点で受験生は評価されます。論文を書くのに十分な思考力を持っている、ということを示す必要があります。

<施策>

この方は、テレビや雑誌の世界で多数取り上げられるほど、ある業種のスペシャリストでした。また、そのお仕事は「主観的」や「直感」によって成立しているものであったことから、論文は客観的に書かなければならない一方で、そのようなお仕事に対する姿勢を否定することもできません。そこで、脳の主観を司る右脳と、客観性を司る左脳を融合させたハイブリッド型の思考法のトレーニング、直感で実行されているお仕事を客観的に説明する訓練を実施しました。大変お忙しい方でしたが、講師側が無理をしなくても良いと伝えても、毎日3本程度、小論文を書き、教室に持参していました。

<効果>

与えられるテーマは、つかみどころのない難解なテーマでしたが、戦略通りに与えられたテーマから主題(結論)を直感で設定し、そこから客観的に説明をすることができました。さらに、客観的に説明する内容にはご自身のお仕事についても述べ、この内容についてはおそらく同じ試験会場で右に出る者はいなかったであろうと推測できます。過去から現在に至るまでの本人の努力が、入試においても報われたのです。