小論文でもっとも重要視されること
受験生の数だけ回答がある
英語や数学などの科目は、答えが決まっています。正解と不正解がはっきりと分かる形で問題が出題されるため、試験としては非常にシンプルです。この場合、教科書や先生の指導通りに問題を解き進め、答えを導き出すことが求められます。
一方、小論文では、回答の仕方やプロセスが一律ではなく、受験生の数だけ回答があると言っても過言ではありません。受験生側としては、何が正解とされるのかが分かりづらく、戸惑ってしまうこともあるでしょう。
たとえば、「少子高齢社会について論じなさい」というテーマが出題された場合、バリアフリーやユニバーサルデザインといった高齢者への配慮、年金問題など、論じるべき内容は非常に多岐にわたります。さらに、どういった内容を論じるか、またその知識をどれだけ持ち合わせているかは、受験生によって異なります。このように、テーマに対するアプローチが人それぞれであるため、正解とされるものが明確に決まっていないという特性が小論文にはあります。
「論理的」な文であるか
小論文という科目で、採点者がどこを見ているのか、また何を評価基準としているのかを理解することは、最短距離で学習を進めるために非常に重要です。
小論文では、国語の表現力をはじめ、学びたい分野についての入門的な知識、分析力、創造性、問題解決能力など、総合的な学力が求められます。その中でも、特に重要な要素についてご紹介します。
それは、受験生が最も見落としがちであり、しかし非常に基本的な要素でもある「論理的」な文章であるかどうかです。
「論理的」とは?
「論理的」とは、簡単に言うと「筋が通っている」ということです。筋が通っているというのは、言い換えれば、意見に対して適切な理由があるかどうか、ということです。
小論文では、立場や考え方の異なる人に対して、自分の意見を「理解」してもらう必要があります。ここで注意すべき点は、相手に「共感」してもらう必要はないということです。しかし、なぜ自分がその意見を持っているのか、どうしてその意見に至ったのかを相手に理解してもらうことが大切です。「私はあなたと同じ意見ではないけれど、そういう理由であなたはその意見を持っているのですね。」と相手に納得してもらえるような形で説明することが求められます。
そのため、どんな意見を述べるにしても、「自分がこう思っているから」といった理由だけではなく、できる限り多くの人が納得できる理由を示す必要があります。
論理的思考の訓練
より多くの人が納得できるように、客観的かつ正確に、そして論理的に構成していくことが求められます。この論理的思考を身につけるための訓練は、最も時間がかかる作業であり、目に見えにくいものです。基礎体力を鍛えるようなものだと考えてください。
翔励学院には、遠方からも多くの受講生が集まっています。なぜ彼らがそこまでして集まるのかと言うと、当学院の指導が単なる「書き方」ではなく、小論文を書くうえで必要な考え方や思考力のトレーニングも行っているからです。実際に指導を受けてみたいとお考えの方は、ぜひ当学院の無料学習相談にお越しください。