大学訪問
投稿日時:2024/07/09(火) 14:15

こんにちは、岡本大空です。
本日は、某大学教授の研究室へお邪魔させていただきました。当学院の生徒たちの中でも志願者の多い大学であり、大変学びの多い時間となりました。
今回訪問した先生とのお話の中で、大学入試について関心があるであろう皆様に次の3点を共有させていただきます。
1. 「ボランティア」やいわゆる「活動実績」はまったく気にしていない
年内入試では「実績」と呼ばれるボランティアなどの課外活動が評価されると指導する塾や学校があるようです。いくつかの大学の先生や入試担当の方に質問をしても同様の回答を得られますが、今回お会いした先生は特にはっきりと述べてくださいました。
「真っ当な研究者であれば、ボランティア云々は評価対象としないだろう」とのことでした。
この背景には、総合型選抜や推薦型選抜などで合格する「優れた学生」の傾向が誤解されている点があると考えられます。つまり、高校の学びを超えて活動している学生が結果的に多いことから、「活動実績」が評価基準であると誤解している塾、学校、そして生徒や保護者が多いのです。大学の学びと直接結びつく活動(例:看護学部志望者が看護体験に参加することなど)は別として、この誤解は「優秀な人は眼鏡をかけている、だから眼鏡をかければ優秀になれる」と考えるのと同じで、因果関係を見出すことはできません。
2. 大学の「序列」や「知名度」で進路選択することは国際的な観点から恥ずかしいこと
今回訪問した大学は偏差値も知名度も高い大学でしたが、いわゆる「上の大学」を目指して進路選択をすることについて、先生は次のようにお話しされました。
「この分野についてはこの大学が強い、この先生の研究をしたいと思ったらその大学にたどり着いた、ということはあっても、偏差値が高いからそれを『上の大学』と呼ぶこと自体が、国際的に見れば(日本の教育の)恥ずかしいところです」とのことでした。
これは偏差値や知名度の高い大学への合格者が多いことが、所属学校や塾の広報材料として都合が良いという背景があります。こうした大人たちの「コマ」にされていることに生徒自身が気づいていないケースが多く、結果として「学びたいこと」ではなく「評価されやすい大学」を選ぶ傾向が生まれます。その結果、大学進学後に成長しない学生も多いのです。
例えば、偏差値や知名度で言うと早慶というものがありますが、「早慶どちらかに行きたい」というのは「医者か弁護士になりたい」と述べているようなものです。どちらも給与が高いですが、その職業選択の仕方や考え方には問題があります。もし周囲の大人が「医者か弁護士になれ」と言った場合、それはあなたの将来を真剣に考えているのではなく、自分のエゴを満たそうとしている可能性があります。
3. 学力と学ぶ姿勢が問われている ― 志望理由や入試で問うことは実にシンプル
お話の中で、先生は次のように語られました。「大学入試は、私どもの授業について来られるか、ついてくる学力があるかを問いたいのです。」
また、「大学でこういうことを学びたいということを(受験生には)しっかり考えてほしい。それを考えるためには地道に勉強しなければならない。そのような努力をしてきた学生に来てもらいたい」ともおっしゃっていました。
結局のところ、大学全入時代となり、学ぶ意志のない者が大学にあふれているのが日本の高等教育(大学)の現状です。それゆえ、当学院で学ぶような学ぶ意志と覚悟があり、努力に基づく実力をつけようとする者たちが合格をいただき、大学入学後も高く評価されているのだと思います。
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