R・Yさん 立命館アジア太平洋大学

<分析>

入会当初は「食」に関する学びを大学で行いたいという漠然としたイメージしかありませんでした。これを今後具体化していく必要があるのですが、この生徒の場合は海外からの帰国生で、性格も穏やかな方であったがために、一気に具体化していく、というよりは徐々に具体化していく方が適していました。遠方の大学へ行くことに対する抵抗感はないとのことであったため、本人にとって良い学びができる大学を探し、最終的には海外経験者が多く、キャンパスやシステムなどの面でも、かつて過ごしていた海外の雰囲気と類似した同大学を志望しました。

<施策>

同大学の入試では、事前にレポート提出が必要でした。この生徒はイタリアにおけるチーズの模造に関する研究をテーマとしていました。このテーマに関する資料や論文を集め、リサーチしていきましたが、ある程度進めると、資料がだんだん不足してきたことに気づきます。この研究はさほど進められていないのかと言えば、そんなこともないでしょう。そこで当学院主任講師が一つの提案をします。それは、海外の論文を読むことです。帰国生であるこの生徒は、英文で本や論文を読むことができます。そこまで学びを進めることができれば、他の受験生よりも深い考察ができると判断しました。

<効果>

この問題に関する論文は日本語では10本程度しか確認できませんでしたが、英語では実に100本以上の論文が確認できました。これらを駆使して学びを進めた結果、無事に合格をいただくことができました。後日、同大学のある大分へ旅立つ直前に、学院へご挨拶に来られました。パスポートも必要なく、2時間程度のフライトで帰京できるから、(大分は)近いものです、また夏休みにでも遊びに来ます、と述べてくれました。同大学の広大な土地や九州の人たちの人柄は、本人にとってきっと良い学びの機会をたくさん与えてくれるだろうと信じています。