E・Yさん 国際基督教大学 教養学部 

<分析>

高校1年次に入会した当初、海外生活のバックグラウンドを持つ本人は、何よりもまず日本語能力の強化を当面の課題としていました。しかし、高校2年次を迎え、将来の進路を具体化させていく過程で、本人の真の強みが明らかになりました。

日本語の言語的な壁に直面しながらも、それを補って余りある知的好奇心によって、古今東西のあらゆる分野の文献を貪欲に読み進めていきました。その学びは、単なる「浅く広い知識」の習得に留まるものではありませんでした。

<施策>

ICUの入試対策について、最も正確な表現は「入試対策をしない入試対策」です。
これは大学側の意図的な設計でもあります。ICUは、特定の科目の知識量だけを競う学生よりも、「なぜ?」を問い続ける知的好奇心に溢れた学生を欲しています。特定の枠に自分をはめ込む「対策」を積んできた学生より、日頃から多方面にアンテナを張り、自分の言葉で世界を解釈してきた学生の方が、ICUの教室ではより輝くことを知っているからです。

ここで求められるのは「用意された正解」に辿り着く技術ではなく、「未知の問いに対し、自分の頭でどう挑むか」というプロセスです。付け焼き刃のテクニックや「対策された回答」は、試験を通じてICU側に見抜かれてしまいます。彼らが求めているのは、パターン化された思考ではなく、柔軟で強靭な「生の知性」です。

<効果>

「東京大学には合格したが、ICUには不合格となった」という事例が散見されることからも明らかなように、ICU(国際基督教大学)の入試は、従来の知識偏重型の受験対策だけでは太刀打ちできない独自の性質を持っています。多くの塾や予備校からは、対策の立てづらい大学として敬遠されがちな側面があることも否定できません。

しかし、その特殊な入試形態は、単なる知識の多寡を測るためではなく、この生徒のような「純粋な知的好奇心」に溢れた学生を見出すためのものです。本人は、ICUの独創的な入試問題すらも知的なエンターテインメントとして享受していました。