N・Kさん 筑波大学 社会・国際学群

<分析>

入会当初である高校1年次の段階で、本人は現代の民主主義の在り方に対して鋭い疑問を抱いていました。社会に蔓延する「本音と建前」の乖離を敏感に察知し、それまで受けてきた教育の場においても同様の違和感を拭いきれずに苦悩する中で、表面的な言説に終始しない本質的な教育を求め、当学院の門を叩くに至りました。

学校や社会が提示する既成の価値観を無批判に受け入れるのではなく、その背後にある構造的な矛盾を直視しようとする真摯な姿勢が、当初より顕著に表れていました。当学院では、こうした本人の純粋な問題意識を起点とし、政治学や社会学の知見を交えながら、事象の根底に横たわる真理を批判的に考察していく対話的な学びを開始しました。

<施策>

こうした探究を深める過程で、本人は、政治的な諸問題を解明するためには単に政治学の枠組みをなぞるだけでは不十分であるという事実に直面しました。政治の動態を規定する人間心理や社会構造、さらには歴史的・哲学的な背景といった、より深層的な次元における周辺領域の学びが不可欠であるという認識に至ったのです。自らの関心事を出発点としながらも、それに付随する諸学問への学習にも率先して取り組むようになったその姿勢は、一つの専門領域に安住せず、知の境界を常に拡張し続けようとするものでした。

<効果>

このような、多角的な尺度から真理を追究しようとする学びのスタイルにおいて、筑波大学という進学先が選択されたのは、まさに合理的な帰結と言えます。同大学が伝統的に掲げる「開かれた大学」という理念や、既存の学問領域の壁を越えて知を統合する学際的な研究体制は、一つの事象を重層的に捉えようとする本人の知的な志向性と深く共鳴するものでした。