Wさん 慶應義塾大学

<分析>

この生徒は、当学院主任講師と一部同じ経歴をもつ生徒でした。当学院主任講師は、普連土学園中学校・高等学校→国際基督教大学高等学校(ICU高校)それぞれにおいて奉職していました。この生徒も普連土学園中学校出身のICU高校生でした。このことから保護者の方にも「他人とは思えないんですよ。」と面談時に仰っていただきました。法学部志望で、いつも本人が関心のある法律関係の専門書を手にしていました。このことからも、本気で法学が学びたいということが見て取れました。

<施策>

指導を進める中でもっとも課題となったことは、本人のもつ「情報量の多さ」です。本人はとても良く勉強し、法律や社会、経済などについて多くの知識を身につけていました。また、ICU高校では先生方がそれぞれの専門分野から、通常の高校で学べることを超えた深い学びができることからも、諸問題に対する解決方法も考えることができています。ただ、その知識量の多さゆえに、どの知識をどう活用するのかで悩んだり、意見の整理がつかなかったりということもしばしば見られました。そこで、授業内では「本人の考えが十分に整理できるまで待つ」ことを徹底し、講師側が手助けせず、整理ができたところから誘導していく手法を取りました。

<効果>

上記のような指導法を続けた結果、もともとあった多くの情報を整理する力を習得できました。本人が書いた小論文は、まるで何かの文献を参照しながら書いたのかと思うほど正確な情報と論理展開がなされていましたが、間違いなくそれは本人が頭の中で整理したものです。中学・高校において大変良く学んできたようですから、両校で受けた指導と当学院の指導、そして本人の努力が実り、当学院としても貴重な体験をさせていただいた指導でした。