Vさん 聖心女子大学(編入)

<分析>

教員を志望しており、現在の大学から編入したいとのことでした。この生徒の課題は「AはBに決まっている」というような決めつけがあったことです。「AはBになるかもしれないし、Cになるかもしれない」という発想がなかなかできずにいました。もちろん現代日本の教育方法は、決まりきった一つの答えを言わせるものが多いのですが、小論文はそれでは通用しません。また教育者として立つうえでも課題となります。

<施策>

こういうものだ、という決めつけをなくさせるために、教育に関する書籍を紹介し、教育現場で起こりうる様々な問題とそれに対する対策は一つではないということを理解してもらいました。そのうえで、児童・生徒の一つのアクションに対して、どういう意図があるのかを考察していきました。たとえば「どうして勉強する必要があるの」と聞く児童・生徒はただ興味本位で聞いている可能性もあるし、勉強したくないから勉強することに疑問をもっているかもしれない、あるいは周囲の大人が述べる理由に対して納得していないから聞いてくるのかもしれない、などの分析です。

<効果>

こうしたトレーニングを続けていくことで、自分の視点だけで物事を考えるのではなく、段階的に他者の視点から物事を捉え、考えることができるようになりました。「自分はこう思う」ことを根拠とするのではなく、データや教育業界での通説、学術的な根拠に基づいて自分の主張をするようになっていきました。結果として聖心女子大学を含め、複数の大学から合格をいただくことができました。