Tさん 日本女子大学

<分析>

高校3年生になる前から志望大学・学部は決めていましたが、志望理由を書かせると、それはまるで「自己紹介」のようで、文章そのものは書くことができても大学側が聞きたいこととずれていました。普通科高校から通信制高校に転校したことや体調面での不安などから、入試では不利に働く要素がいくつかあったため、それらを払拭するだけの実力をつけさせる必要がありました。

<施策>

志望理由が自己紹介のようになってしまうことの原因として、「主観的なものの見方」がありました。つまり自分が「良い」と思うものは周囲の人も「良い」と思っているだろう、と無意識レベルで考えてしまうことです。よって小論文の学習や面接対策において、どんな立場の人であれば、自分の述べたことにどのように解釈するか、複数の受け止め方を考えるトレーニングをしました。

<効果>

試験日当日のお昼休みの時間に、この生徒から一件のメールが届きました。それは午前中の小論文の問題とどのように回答したのかのアウトライン、そしてこの回答がどのように受け止められるかの推察でした。本人は不安だからこのメールを送信してきたのでしょうが、自分本位ではなく相手の理解まで考えながら試験に臨んでおり、この時点で合格はほぼ間違いないと確信できるものでした。