Kさん ルーテル学院大学(編入)

<分析>

 学習相談へ来られた当初は、今回の進学先・分野とは異なる進路を考えておられました。相談時の様子から、まだ希望進路について迷っているように見受けられたため、本当にその希望進路で良いのか尋ねたところ、正直迷っている、とのことでした。そこで、本人の背景や将来像などをヒヤリングし、学習相談の中で進路指導を実施しました。後日、ルーテル学院大学へ編入したいという連絡を受け、新たな希望進路に向けた学びをスタートしました。向学心はありながらも、適切な導きを必要とする傾向がありました。

<施策>

進路について迷いがあったこと同様に、提出書類(研究計画)においても、どのような研究がしたいのか、おぼろげなイメージはついていましたが、明確に述べることができていませんでした。指導をする中で、自分の意見を確立するのに深く、時間をかけて考えるタイプであることがわかり、授業内では自宅で考えるべきポイントの指摘を中心に行うこととしました。小論文の指導においても同様の指導法を実施し、教室では解説を、自宅では再演習を実施するというリズムの中で指導しました。その分、他の生徒よりも解説の時間を長くとり、本人が納得するまで説明と対話を繰り返しました。

<効果>

 編入試験は一年次入試よりも倍率が高く、募集人数も若干名とされることが多いため、僅かなミステイクも許されないと考えられます。この生徒は結論部分まで書き上げることができなかったそうで、厳しい状況でした。今回、合格をいただくことができた要因としては、問題が「専門家の働き」について受験生がどれほど理解し、どういった信念をもっているかが問われるような問題でした。研究計画を含め、授業内で専門家として立っていくうえでの必要な意識と心構えを解説しましたが、それを本人がしっかりと体得できたことを評価していただけたのだと考えられます。